Vol. 1
Tシャツっていつ頃誕生したのだろうか?日常のマストアイテムだけれども、案外知られていないのではないだろうか。その歴史は80年以上も昔にさかのぼる。時は第一次世界大戦、兵士たちには軍用装備としてウール素材のアンダーウエアが支給されていた。暖かいがウール製のそのゴワゴワとした着心地が特に夏季において兵士の間で評判が悪かった。それではと、兵士たちが勝手に綿素材を使ってアンダーウエアを自作してみたところこれが好評で、アメリカ海軍当局もこれを正式採用するに至った。一説には、戦地でともに戦ったヨーロッパ兵の綿素材のアンダーウエアを参考にしたとも言われている。そして、1920年代には「Tシャツ」という言葉がMerriam-Webster's Dictionaryに収載され、アメリカ英語の公用語として認知されるようになった。
当時のTシャツは、現在のデザインとは少し異なり、ポロシャツのようなボタンホールと小さな襟が付いており、コブシャツ(水兵シャツ)とも呼ばれていた。現在のような丸首で綿100%のT型デザインになったのは、第二次世界大戦に向けてアメリカ軍が正式採用したモノが最初だと言われている。デザインしたのは、アメリカの大手百貨店&通販メーカーのシアーズ・ローバック社であった。戦場においてTシャツはアンダーウエアとしてだけでなく、マスクや帽子、そして時には「白旗」としても使われ、戦後は民主主義のシンボルとしてアメリカ国民に広く浸透していく。
さらに50年代になると、マーロン・ブランドやジェームス・ディーンなどのスターがスクリーンの中で「下着」であるTシャツをスタイリッシュに着こなして見せたことで、ティーンたちはTシャツを若さと反抗のシンボルととらえるようになっていった。そして、60年代に入るとプリント技術は飛躍的な進歩を遂げ、よりカラフルで緻密な絵柄をプリントすることが可能になったことで、多くの企業がTシャツに注目し、これを広告媒体として自社のロゴやさまざまなメッセージを発信した。